買いおくれじ時、気崩れ安、意地悪しきもの仕掛けのタイミングの難しさは今までもいろいろ述べてきましたが今回も、タイミングの取り方、と言うよりも、タイミングを取る時の心構えを述べたも のをご紹介します。言われてみれば「当たり前」なのですが、実際に相場を見 ていると冷静に判断出来なくなる事も多いものです。 「米買うべしと見込み候時、二俵方も引き上がる時は、買いおくれじと心得、 かえって売り方になることあり。はなはだ誤りなり。買いおくるる時は唯買い 場を待つべし。」 「相場で買いにいこうと思ってみている時に二俵くらい急に上がってしまっ たような時は買い遅れてしまったと考えて売り方に回る事がある。これは非常 に間違いである。買い遅れた時はただ、買い場を待つのが賢明である。」とい う意味です。実際に相場に参加する時にこういった事は良く起きるものです。 「かえって売り方になる」ことはあまりないかもしれませんが、あわてて高い ところを買いにいってしまう事は良くある事です。あわてて、買いに出たり、 狙っていたものが買わないうちに上がってしまった事に腹を立て、売り方に回 るような事をすると、とんでもないことになるもので厳に慎みたいものです。 あわてずに待っていれば必ず買い場が廻ってくるものです。 「二、三ヵ月も必至、必至と上げつめ、急にひと落ち位も下がる事あり、こ れ極めて買うべし。またまた上がるなり、その節早速手仕舞うべし。」 「二、三ヵ月も(長い事)勢い良く上げた相場の後に急に下がる事があり、 これは絶対に買うべきである。すぐに上がる事が多いものである、その時は早 めに利食うのが正解である。」と言う意味で、上げ続けた相場が天井をつけ、 二番天井を付けるまでの急落場面をいっているのだと思います。長い事上げ続 けた相場は急に下がったりするとまたすぐに上がるだろうと押目買いが入るも ので、そう言った買いが入ると前の天井付近まではすぐに戻る事が多いもので す。この「リバウンド」を狙うと儲かるものだと言っているものです。ただ、 あくまでも「リバウンド狙い」に徹する事が肝要だと思います。 「米上ぐべしと買い入れおき、最初の思い入れより、上げ越し十分仕当たる 時、上げ詰め行き当たる時は意地悪しく高下するものなり。その節商い仕舞い、 四~五十日休むべし。右休みの内、見抜き候程の商い場有りとも決してせざる ものなり。」 「相場が上がるだろうと買ったものが最初の思惑通り十分に上昇した時、目 いっぱい上昇したあとは意地悪く乱高下するものである。そう言った時はポジ ションを手仕舞い4~50日休むべきである。休んでいる内でも完全に儲かりそ うだと思う時があるかもしれないが決して商いをしてはいけない。」と言う意 味です。自分の思うように上昇した相場では十分上がったからいざ利食おうと 思った時に急に上がったり、急に下がったりするのは良くある事です。売ろう と思った時に急に上がると「もっと上がるのではないか」とも思うし、急に下 がれば「また戻るのではないか」とも思う事も良くあります。ただ、そう言っ た時は十分に「儲かって」いるのですから「頭と尻尾はくれてやる」事が大切 で手仕舞うべきだと言うものです。また、旨く言ったあとは何でも上手くいく ような気がして有頂天になり、余計な商いをしてまう事が多く、儲けを吐き出 してしまうことすらあります。そう言った事を慎むためにも休むのが正解だと 言うのです。 ジャンル別一覧
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